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6月4日 第5回長信田太鼓ライブ「革命〜今の己をぶっ壊せ!」


今年は、昨年の「始動」を乗り切った若いメンバーが中心となって、1年間たくさんのステージを踏んできた成果をお見せするライブでした。
自信がなくてまだまだ自分に限界を決めてしまうメンバーも多く、挑戦を怖がるところがありましたから、思い切って高い目標を掲げ、自分たちをとことん追い込んでみようと思いました。
その思いを受けて細井さんが練り上げてくださった「革命」という新曲に、年明けから取り掛かりました。
今年の挑戦の一つは「腹筋打ち」(勝手に命名してます)。TAOの野性味あふれる男たちの背中にメロメロだった私は(笑)絶対これに挑戦すると決めていました。
笑い話ですが、本当は男性陣は上半身「ハダカ」で魅せたかったのですが、合宿のとき脱いでやってみたら、「あれ?銭湯のおじさんたちにしか見えない…」ということで、やはりタンクトップは着たままでやることになりました。
あの美しい背中は、半年頑張ったくらいではどうにもならなかったのでした…(あ、一部はそれに近い背中を見せてくれた人もいたことを付け加えておきます)



  燃える赤が革命魂をかきたてます!
例年のことながら、リハーサルまでは本当にぐだぐだでした。
いつもの練習場から広い会場に移っただけで、「いつも」が出せなくなってしまう弱さ。
「私たちは下手なんだから、死ぬ気で出す気迫以外に見せられるものはないんだ!」と相変わらず去年と同じような檄を飛ばしまくりました。
1000円の入場料をいただいてやるワンマンライブ。
毎回楽しみに来てくれる地域の方々。
毎年変わるメンバーで伝統をつないでいくことのしんどさがのしかかります。
みんなで必死で創ってきた「長信田太鼓」が、たった1回の失敗で崩れてしまう怖さがいつもあります。
でもだからこそ、必死の力を引き出してもらえるのだとも思います。
責任を背負わなければ、人はどこか「こんなもん」で妥協してしまうのかもしれません。


  崖っぷちのパワーがさく裂した「革命」。
「革命」構想ができあがってから、「この曲を打ち切るには、ただの練習では無理、曲に負けてしまう」そう思って「基礎から鍛え直し作戦」を敢行しました。
まずは毎朝の「打ち込み」。30秒で完全に息が上がるような全力の打ち込みを、全員で5分×2本。
途中からは腕がマヒしたようにガチガチになって、みな苦悶の表情を浮かべながら、耐え抜く時間になります。 そして、負けそうになる気持ちを振り払うように、雄叫びをあげます。タイマーが鳴ると、全員が床に倒れこみます。
こういう練習に「心の強さ」が垣間見れます。
つらいのは皆同じだけれど、つらいとすぐにそれを全身に表現してしまう人、もう無理、と力を抜き始める人、歯を食いしばってくらいつく人。
この半年で、食らいつける人が増えました。身体だけでない、心の成長が確かにありました。
ここに耐えられた仲間だからこそ、最後の最後、空中分解せずにやり切れたのだろうと、今なら思います。
単純な練習だけれど、私たちの絆をつなぐための大事な時間でした。


   「できないこと」に立ち向かい、克服することを教えてくれた「腹筋打ち」。
毎年、一曲ずつ増えています(笑)5回目で5曲は増えました。
今年は全8曲。どれもこれも、ハードです。
1曲目がもっともきつい「革命」ですから、2時間のライブ、本当に乗り切れるのか。まともに考えれば恐ろしいことです(笑)
「革命」は最初のフレーズがとにかくきついんです。基本のフレーズを4セット繰り返すのですが、2セット終わるころには完全に息が上がり、手があがらなくなり、腰を落とせなくなり、時にふらっと来たりします。
声も出せなくなるところを必死で絞り出し、叫びます。
4セット終われば、間髪入れずに次の腹筋打ち。
地獄の数分間です。
先を考えてしまうと「今」をセーブしてしまうので、曲が始まったらとにかく「今をやりきる」ことに徹します。
「やるしかないんだ!!」
・・・でも、これが人生の合言葉のようにも思えます。
考えて考えて歩みを止めてしまうのではなく、やるしかないんだ、やりながら考えろ!!
そうやってやり切ってみたら、ちゃんと倒れずに立っているんです。
2時間、ちゃんとやり切れるものなんです。自分で勝手に限界なんて決めちゃいけないんです。


   限界はまだ先にありました!

  去年から磨きをかけてきた「始動」


  一番自信を持って打てる曲、「太楽」

今年の目玉は、OBによる「颯」です。
3年ぶりにバチを持った人もいます。
のんびりライブを見に来たつもりが、急きょステージに上がらされた人もいます(笑)。
みんな仕事やら勉強やらで忙しくて太鼓からは遠ざかっていましたが、ひとたびバチを持てば、青春をかけた熱い思いがよみがえってくるようです。
そして、全国大会を目指してあれだけ打ち込んできた「颯」は、体が覚えているんですね。
当日の朝に顔を合わせたばかりのOBたちが、お昼もそこそこに輪になって「口太鼓」で合わせている姿はさすがでした。
たとえOBでも、いい加減なものは見せられないという責任とプライド。
それぞれが自分と向き合い、仲間と向き合い、長信田太鼓を支えてきた日々。それが確かな絆をつくったのだと、改めて感じました。
OBの演奏は、本当にすごかったです。予想を超えていました。
3年ぶりに集まったとは思えないほど、呼吸が合うんです。そして、波動がひとつになって、私たちの心に届くんです。
お客様からも感動したという声がたくさん寄せられました。
OBのみなさん、本当にありがとう。


  絆の確かさを見せつけたOBの「颯」が感動を生んだ。

  負けられない現役の、これまた崖っぷち「颯」


  桂子先生作曲の紹介レボルーション。

  さすがの存在感、細井さん。

「革命」のテーマは、「自分の中に革命を起こして、今の自分の壁をこわしていくのだ」という覚悟でした。
長信田太鼓史上、最高難度のステージをつくる。
この高い目標に向かって、みんなで走ってきました。
「出来そうなことをがんばる」のではなく、「できないことに正面から挑んでいく」ことを課しました。
できないことをできるようにする、というプロセスは、不安との戦いです。
今日一日の努力の結果がすぐには表れないあせり。本当にできるようになるのか先の見えない不安。
それを共に背負って、みんなで決めたことを苦しくても続けること、勝手に自分に限界を決めずに、日々少しの無理を自分に課していくこと。
そうやって少しずつ少しずつ形にして、この日を迎えました。
「やっぱり高すぎる目標だったか」とあきらめそうになる日もありました。
でも、あの苦しい練習に言い訳せずについてきた素直なメンバーたちを信じることしか、最後はできませんでした。
まだまだ課題はあります。成長途上です。でも、まずはここまで来れました。ここまでできるということもわかりました。
今は達成感で一杯です。
こんな私たちに、惜しみない拍手をくださったみなさま、本当に本当にありがとうございました。
また、細井先生、桂子先生、快く衣装に協力くださった美奈子先生、袴田さん、照明の近藤先生、受付に協力してくれたみなさん、応援してくれたクリニックの皆さん、本当にありがとうございました。

  去年に引き続き袴田美紅ちゃん作のポスター。革命の象徴、長信田のジャンヌダルクです。
 
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