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6月29日(土)第1回 長信田太鼓ライブ 「Initiation」〜新たな物語のはじまり〜
ふるさと文化館

大きな挑戦でした。
3月、5人の卒業生を出し、結成当初から一緒に作り上げてきた中心メンバーも
数人抜けました。
(これは、長信田太鼓の宿命です。むしろ、喜ばしいことです!)
4月、4人の新メンバーを抱え、構えやバチの持ち方から指導しながら、
総勢16名で6月29日のステージを目指すことになりました。

理想を掲げること、そこに向かって、皆が目標を共有すること。
それによって、皆が刺激し合って、支え合って、必死になって向かっていける。
そう思っています。

今回のライブ、高すぎる理想と思ったメンバーもいたかもしれません。
でも、皆で目指したら、びっくりするようなことが達成できたりする…。
理想があるからこそ、人は努力するし、踏ん張るし、伸びることができる。
だから私は、中途半端でなく、なりたい理想をしっかりと掲げたいと思うんです。
安全圏ばかりでなく、気合入れて、人生かけて、ちゃんと向かっていきたい。
・・・今回のライブで、皆、めちゃくちゃ成長したと思います。
それだけは、自信を持って言えます。

途中から、みんなの「目」が変わってきました。
6月1日から2泊3日の合宿を敢行したあたりからでしょうか。
3日間、朝から晩まで、本当に太鼓漬けでした。
でも、やればやるほど課題が見えてきて、練習を止めることができませんでした。
練習して練習して、ビデオ見ながら話し合って、また練習して。
1日8時間くらい練習したんじゃないかな。そして3食ご飯作ってみんなで食べて、
ゆうぱる行って汗流して・・・みんなで創るステージ、一体感が自然と強まったようにも思います。

長信田太鼓の歴史は、まだ4年です。でも、その間にたくさんのメンバーが入れ替わり、
皆でバトンを繋ぎながら、伝統を積み上げてきました。
「長信田太鼓だから伝えられる感動」
それを追い求めて、後に続くメンバーたちも、必死に練習して、そのひたむきさを、まっすぐな思いを、継承してきました。
メンバー自身も皆、長信田太鼓に感動してるんです。仲間たちの力に驚き、尊敬し、
その一員でいるために、自分を追い込んでいくのです。

新人たちの「伸び」は、半端ではありませんでした。
その潜在能力の高さには、目を見張るものがありました。
みんな、ほんの数か月前まで、引きこもっていたり、逃避的な生き方をしていた人たちです。
それがなんと!「やらなくてもいい、もう休め」と言っても、「やりたい!やらせてください!」
と自ら志願して、難しい課題に挑んでいく。
その目は、心の底から生き生きとして、自信に満ちていました。
9曲を立て続けに演奏するというのは(しかも、1曲15分以上ある曲もあります)、本当に体力を消耗します。
1曲終わるごとに、全力疾走してきたように息が切れ、大量の汗をかきます。
1曲を覚えるのにも、かなりの時間も労力がいります。
でも、誰一人として「こんな大変なことやらされて」と不満を言うものもおらず、
弱音を吐くものもおらず、ライブの成功のためだけに、一心不乱に練習に向かっておりました。

私は、最後のステージあいさつで「人が再生するということは、単に元に戻ることでなく、より強く、
より深く成長することだと思う」と話しました。
「できなかった時期があるからこそ、より激しく。苦しんだ時期があったからこそ、より優しく」。
若者たちを見ていて、正直にそう思うのです。

彼らの精神が、今回のステージを、凛として神々しい雰囲気にしたのではないかと、ちょっぴり自画自賛しています。
もちろん、技術的にはまだまだな私たちです。
でも、あとからライブのビデオを見て、神がかり的にそろっていたり、そのそろったポーズや掛け声から、
ものすごい気迫を放出していたり。
本番は、とにかくすごかったです。
途中まではただひたすら無我夢中で舞台を進めていたのですが、私自身は、
最後の2曲「ハーモニー」をやっていたとき、何か特別な境地に入った感覚がありました。
後で見たらいつもよりもハイスピードだったにもかかわらず、ピターッと合って、演奏している自分にも
「音が一つに聞こえる」と感じられ、しかも、全然疲れを感じずに気持ちよくたたけました。
(いつもは腕が上がらなくなって、つらいと思いながらたたいているのに…)
最高に気持ちがよかったです。

BRONZE道心の演奏もまた、今回のライブを何倍にも熱いものにしてくれました。
お客さんからは、「無料でいいの〜?」とありがたいお言葉をたくさんいただきました。
BRONZE道心の音楽は、いつ聴いても、新しく、素晴らしく、感動的です。
和太鼓サポートメンバー玲奈の3年の成長も、素晴らしかったです。
堂々として、すっかりBRONZEに溶け込んでいました。毎日毎日、本当に感心するほど練習していましたから。
今回は、龍守さんから「SAXのコラボで、ライブを盛り上げる」ことを条件に(?)ライブ出演を承諾してもらったので(笑)
・・・お恥ずかしながら、私もステージに上がらせていただきました。
Chihoさんと演奏できるなんて夢のようですが、あまりの下手さに申し訳ない気持ちでいっぱいです。スミマセン…
…chihoさんのサックスは、本当に魅力的ですね。音の艶やかさ、迫力、本当に歌っているようで、メッセージがズドンと胸に来ます。
龍守さんのソロの時の音楽と一体になってしまった表情、舞台脇で見ていてむちゃくちゃかっこよかったですし、
Boyaさんの天然キャラと超ギャップの正確でノリノリのベースにもしびれます。
とにかく、BRONZEは、メンバー皆さんのお人柄も含め、最高のバンドです。
三種町の皆さんにも、きっと伝わったと思います!

客席をほぼ埋め尽くすお客様。鳴り止まない拍手、声援。
そして、帰り際には、たくさんの方から「素晴らしかった」「泣きました」とありがたい言葉をいただきました。
太鼓の単独ライブ。土曜の夜。いったいどれほどの人が来てくれるのか、幕が開くまで本当に不安でした。
祈るような気持で幕開けを待ちましたが、杞憂でした。
長信田太鼓、愛されているんだ・・・。
あらためて、地域の皆様の温かいお気持ちに触れ、これからも絶対裏切らないように頑張っていこう。
そう心に誓いました。

今回のライブで、卒業する者も数名います。
また新しいメンバーも入ってくるでしょう。
どんどん変わっていくけれど、変わらないものをしっかりと守りながら、発展を続ける。頑張ります!!!

ライブに足を運んでくださった方々、応援のメッセージを届けてくださった方々、
支えてくれた家族の皆様、本当にありがとうございました。
そして、当日、照明をやってくださった、二ツ井の劇団「展楽座」の畠山さん、
工藤慶悦座長、本当にありがとうございました。
畠山さんには、前回のプレライブに来ていただいて、「照明、やってやるから!絶対声かけて」と言っていただきました。
(その時は、照明なしでやったため、暗くてみんなの顔もよくわからなかったのが残念だったとアドバイスいただきました)
そして、今回、お仕事が終わってから疲れている中で、夜遅くまで照明の仕込みをしていただきました。
当日は、照明があることで、長信田太鼓のよさがすごく引き立ちました。本当にありがたかったです。

いろいろな方に支えられて、今がある。
三種の地で、たくさんの若者たちが育っています。
これから、この若い力を地域に還元していきたいと思います。支えられている感謝を忘れず、
社会の役に立つことのできる若者を、長信田太鼓は育てていきたいと思います。

これからも、どうぞ応援してください。

「ライブを終えて」リーダー 佐藤美菜
4月から本番までの3か月間は、つらいことや困難が多くありましたが、充実した日々だったと思います。
まず、リーダーとしての自分を振り返ると、やはり未熟な部分がたくさんありました。
最初は、計画を立てず、その場の思い付きでごまかすことが多かったため、怒られることもありました。
でも、失敗するたびに、周りの人たちが親身になって、どうしたらうまくいくか教えてくれました。
リーダーとして、少しではあるけれど、成長できたのではないかと思います。
前に立つ者としての自覚を持つことが、どれだけ難しいのかを知りました。

練習で一番力を入れたのは新曲「Initiation」です。
今まで自分たちがやってきたのとはレベルの違う曲だったので、少し不安になりました。
特に、私は前でたたくことになったので、一層不安が高まりました。
けれど、やると決めた以上、足手まといになりたくないし、できるようになりたいという思いが強かったので、
不安を打ち消そうと練習に励みました。
5月の末になって、やっと曲が最後まで流せるようになりました。本当にうれしかった。
あんなに不安でいっぱいだった曲がたたけるようになった!と。
本当にいろいろありました。合宿をして、一日中太鼓漬けの時もありました。
確かにつらいことも多かったけど、それでも私が頑張れたのは、一人じゃなかったからだと思います。
支え合い、志を共にし、ライブ成功の目標に向かって一緒に進んでいく。
この仲間といたからこそ、私はくじけることなく頑張ることができたと思います。

そんな彼らと迎えたライブは本当に最高のものでした。
当日は、緊張はあったけれど、不思議と不安はありませんでした。
この日まで、たくさんの練習を積み重ねてきたので、「結果は必ずついてくる、だから大丈夫」と
自信を持つことができたし、皆と成功させたいという思いがあったので、不安はありませんでした。
ライブ中、曲が終わると大きな拍手が会場に響きました。
それを聞くたびに、私たちの演奏が、想いが、伝わっているんだとうれしく感じていました。満身創痍でしたけれど。
それを吹き飛ばすくらいの拍手でした。
ライブが終わった時の気持ちは、「達成感」それだけしかありませんでした。
お客さんから「感動した」「すごい」等、ありがたい感想がたくさん聞けました。
この言葉だけで、心が満たされました。頑張ってきてよかった、と。親からも褒められました。
いろんな人に喜んでもらってうれしかった。この感動を、長信田太鼓のみんなと作り出すことができてよかった。
この3か月間は私の心に一生残ると思います。
一番学んだことが多かったし、成長できた時期だから。
たぶん最初で最後のライブ。
辛さも嬉しさも、何もかもが、この3カ月に詰まっていると思います。
太鼓をやっていてよかった!


「卒業ライブを終えて」早川 昂宏
先月末に行われた長信田太鼓ライブは、今までになくよくて、盛況で、観に来て下さったお客さんはもちろん、
太鼓メンバの一人一人の胸にも深く残るものとなった。大成功だった。
私にとっては卒業公演となったので、全てを終えた時のその感動は一入だった。
生涯忘れられない、大切な経験となった。大変満足している。

私は昨年の十二月八日に正式に長信田太鼓の一員となった。
約七ヶ月間、お世話になったことになる。公演も沢山経験し私がこの期間に得たもの、学んだものは多い。
一つには、音を鳴らすことの爽快さ、圧倒的な楽しさだ。撥をしっかと握り込み、それを一心に頭上へ振り上げ、
太鼓の皮面に強く打ちつける喜びである。
私は、楽器にまつわる良い思い出が極端に少ない。
生まれつき、手先が不器用なほうであるからだが、和太鼓はしかしそんなことはまったく関係ない。
想いがある限り表現される音は実に素直だ。私は楽器を演奏する楽しさを教えてもらった。
なかんずく十数名も並んでいるメンバの打ち鳴らす音と、自分の音とがマッチした時のこころよい感覚は、外ではけっして味わえないものだ。
次に伝えたいのは、和太鼓を通して如何に己と向き合い、己と対話する時間があったかということ。
私は性格的なもので、一人で練習をするのが大好きだった。
夜、しんと静まり返った道場内で、裸足になり、目の前の一個の太鼓と向き合う。叩く。
時間を忘れ、精神世界はじょじょに無心に近づいていく。半端じゃない運動量。
全身、汗みずくになる。だが明らかに躰は軽く、気持が良い。この瞬間私は自分を認め易くなり、少しだけ好きになる。
これこそが、太鼓における己との対話である。面を上げると、そこには夜の帳の下りた中に、鏡となった窓に映る、私がいる。
私は私と目が合う。迫真の目付きで、実体であるこちらを睨んでいる。実体である私は真剣そのもので、負けじと睨み返す。
まるで、一個のコミュニケーションが成立したかに思えた程だ。私は最後にこれを伝えたい。

太鼓は、確かに大勢と叩くものだ。ライブ当日は曲目によるが最多で十七名の仲間たちが共に競った。
一人で叩く太鼓は、きっと迫力に欠け(さいわいライブでは無縁だったが)、音色的にも貧相で味気ないものとなるだろう。
換言すれば和太鼓は協調性の種目だ。全員がまとまって一つの音色を鳴らすのを目指す。
素晴らしいし、大変、魅力的だ。当然、そこにはかけがえのない仲間同士の大切なコミュニケーションが存在する。
しかしそれに拘る余りにつまりは全体の調和について過敏になり過ぎ、気にし過ぎる余りに、他者に執着してしまい、自分自身の声を埋めてしまいがちになる。
自己の発揮をついつい疎かにしてしまいがちになる。少なくとも、私は、一時期そのようだった。
私の考え、素直な欲求に対し、あんまり無神経になり過ぎていた。
日頃私たちは割と忙しく、自分の声に耳を丁重に傾けることが、全然出来ずに御仕舞になることがある。
また周囲とコミュニケーションをはかるのが苦手な人は、集団において挫折感を重ねることが多くなる。
そんな時に原点へ帰り、私自身と対話を重ねる。こんなにも貴重な体験を、私は太鼓を通してやっと実現できたように思う。心から太鼓に感謝だ。
私は如上の、私自身とのコミュニケーションにおいて、それを克服したように思う。
私はある程度の覚悟を以て努力した過程で、本当の私の声を聞いたように思う。
それはこれからの期待であり、展望の吐露であり、希望の声であったように思う。
正直、今はまだ不安で、疲れが残っていて、これ以上のことは考えられない。
ただ確実に言えるのは、言いたいのは、たった一人で行えるコミュニケーションがこの世には存在しているということだ。
私はこの真実の事実を、多数派のそれと比べて軽視すべきではないと考える。
私自身と真正面から向き合わせてくれたのが、外ならぬ長信田太鼓だった。

私はこの約七ヶ月間の幸福を忘れない。



「今回デビューを果たした新人組より」
●翔平
前日と本番前は本当に緊張したけれど、ライブ本番はそれを吹き飛ばす気持ちで太鼓をたたきました。
そして、終わった後の歓声と「すごく良かった」というコメントを聞いてようやくほっとしました。
良い経験でした。

●翔麻
今回初めてのライブを終えて、色々なことを経験しました。
例えば、ライブ中に仲間から助けられたり、見ていたお客さんのコメントを聞けたりすることです。
これからもこういうライブを積極的、意欲的に参加したいと思います。

●隆一
今回初めてのワンマンライブということで、最初は少し緊張してましたが、
1曲1曲をみんなと一緒にこなしていくごとに緊張がほぐれていき、
後半からは楽しく演奏でき、忘れられないライブとなりました。

●夏海
私にとってこのライブは、周りに追いつくために、必死に自分を追い込んで練習を重ねました。
これは今までになかったことで、自分の壁を一つ越えた体験でした。
ライブ当日は、何度間違えても、その分躍動的に、ダイナミックに打てるように、心を込めてたたきました。
お客さんの声援がとてもあたたかくて、すごく気持ちよかったです。
 
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